羽豆崎城 | 知多半島最南端のお城
愛知県南知多町の羽豆崎城は、知多半島最南端のお城です。
歴史
羽豆崎城は南北朝時代に築かれたそうですが、築城者は千秋氏、季氏、蜂屋氏の説があります。
【太平記】によれば、新田義貞の弟・脇屋義助が歴応三年(南朝・興国元年=1340)に美濃国の根尾城から73名の家臣とともに落ち延び、しばらくここに滞在して吉野に向かっています。
また、宗良親王が信濃からこの地に落ち延び、やはり吉野に向かっています。
時代は流れ戦国時代、幡豆崎城は千秋秀忠が城主でしたが、桶狭間合戦の時に織田氏に属したため今川氏に攻められ落城しています。
そして江戸時代には千賀氏の所領となり、尾張水軍の拠点になりました。
感想
羽豆崎城は知多半島の最南端、師崎の岬にあり、西の伊勢湾・東の三河湾に向かって『海の道』の要所だった事が伺えます。
そんな羽豆崎城は南北に細長く、あまり枝分かれしていないので、ゆっくり歩いてお城めぐりしたいですね。
まず、南から登ると羽豆神社がありますが、なんとなく郭跡の様な感じがします。そのまま歩いて北へ向かうと石碑があり、展望台も!
そして道が細くなっていくのですが、切り立った崖から海が見渡せ、要害を想わせます。
事実、縄張り図を見てみると、南・東・西の三方が海に面しており、陸から攻めるとすれば北側のみ。しかしその北側にも『羽豆崎天神山城』があったりで、
難攻不落のお城だったのではないでしょうか?(でも落城してマス)
私の感想ですが、羽豆崎城は知多半島最南端のお城で、訪れるには少し遠い気もしますが、水軍の拠点ということで、一度はチェックしてみる事をオススメします。
またここまで来たなら、篠島にある篠島城もセットにすると効率よく巡る事ができますね。
南の海側から登ってみましょう。そんなに高くはなく、標高30m程です。
東、南、西の三方を海で囲まれた羽豆崎城は、崖を登るにもかなり険しい崖なので、甲冑を着ていたらほとんど不可能に近かったと思います。
羽豆崎城は時代ごとに、何人もの城主が入れ替わりましたが、いつの時代もほとんどこのお城を押さえていた人がおり、地理的にも重要な場所だったのでしょう。
城内にある羽豆崎城の看板。近くの千賀屋敷の事についても書かれています。
羽豆崎城は独立したお城に見えますが、舌状台地の先端にあり、その途中に別のお城がありました。それが羽豆崎天神城です。
【愛知県中世城館跡調査報告W知多地区】によると、羽豆崎城の北側、宗真寺の裏山あたりにお城があり、城主は戸田氏だったとか。
また宗真寺の方の話では、今でこそ国道247号線が走り、宗真寺がある場所と羽豆崎城が分断されているものの、昔は地続きだったそうです。
羽豆崎天神山城は、羽豆崎城の北側の崖の上にあったそうですが、ここは羽豆崎城と城主が違います。
羽豆崎城の支城としてではなく、別のお城として位置付けられているんです。
現在は削平地が続いていますが、これは後世、畑として開墾されたものとか。謎は深まりますよね。
ちなみに【小治田真清水】には、羽豆崎城、羽豆崎天神山城、蜂屋城を羽豆崎三城とし、やはりお城が存在した事を裏付けています。
愛知県中世城館跡調査報告W 知多地区より
作図者 高田徹 氏
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