額田郡幸田町深溝にあった3つの深溝城
愛知県額田郡幸田町には、3つのお城跡がありました。この記事ではその3つの深溝城について解説します。
深溝城A
鎌倉時代末の築城とも伝わる深溝城は深溝松平氏の居城として有名ですが、築いたのは大場氏です。
大永年間(1521〜28)に竹谷松平氏(蒲郡市)の松平忠定が大場氏を討って入城し、そこから深溝松平氏として居城してゆくわけですが、五代・忠利が武蔵国忍城一万石に移り、慶長六年(1601)深溝藩が成立しました。
その後、板倉重昌が深溝藩主となりましたが、島原の乱で討死してしまい、長男・重短は中島藩に移り、次男・重直が八千石の旗本となり、陣屋として明治に至りました。
深溝城Aは水田・畑地・宅地として開発され、お城の遺構は株式会社三協工作所の敷地の中に土塁が残るくらいです。
しかし愛知県の石碑と看板が建っており、比較的スム−ズに訪れる事ができると思います。
深溝城B
【愛知の城】(山田柾之著・マイタウン)によると、深溝小学校の付近にお城があったとの事。
また、【愛知県中世城館跡調査報告U三河地区】には、深溝城Bという名前で出てきます。城主・詳細・由緒は不明です。
深溝には全部で3つのお城があったとの事ですが、これは二つ目。
深溝小学校は独立した丘の上にあり、高低差はモチロン、お城の雰囲気を感じます。
しかしお城の遺構らしきものはなく、周辺は宅地として開発されています。今後の研究が期待されますよね。
深溝城東光寺城
【愛知の城】(山田柾之著・マイタウン)によると、東光寺遺跡の付近にも、お城があったとの事。
また、【愛知県中世城館跡調査報告U三河地区】には『東光寺参考地』という名前で出てきます。城主・詳細・由緒は不明です。
東光寺周辺には『櫓下』・『裏門』等のお城関連の地名が残り、かなりお城があった可能性が高い様に思われますよね。
しかし現在お城の遺構と思われるものはなく、また発掘調査でも出てくるものは鎌倉期のものばかりです。
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