東端城 | 長久手合戦で池田恒興を討った永井直勝の居城
愛知県安城市の東端城は、長久手合戦で池田恒興を討った永井直勝の居城跡です。
歴史
東端城の築城は天正八年(1580)で、大浜(碧南市)の長田尚勝によるものといわれています。
天正十二年(1584)、尚勝の弟・永井伝八朗直勝が小牧長久手合戦において、秀吉方の武将・池田恒興を討ち、恩賞として東端城を与えられました。この時、城主だった尚勝は大浜上之宮神社の神官となって退きました。
東端城主となった直勝は、幡豆郡寺津村の豪族・大河内秀綱の娘『ゆり姫』を妻としました。
しかし翌年、ゆり姫は伝八朗直勝の不在中、根崎村(安城市)で自害してしまいます。
それからというもの伝八朗直勝は家康に従い各地を転戦、関ヶ原、大阪冬・夏両陣とも武功をあげ、元和二年(1616)常陸国に移封となり、東端城は廃城となりました。
感想
城主の永井伝八朗直勝は小牧長久手合戦図屏風にも描かれているので有名ですよね。そんな直勝のお城跡ですが、現在城山稲荷社となっています。
円形の縄張で堀・土塁跡が残り、周囲からの高低差でお城跡をさらに偲ぶ事ができるでしょう。ところで城山稲荷大明神の石碑の横を見てみると、【東端城址】の文字がありました。
私の感想ですが、東端城は規模は大きくないものの、貴重な中世の小領主の館城の雰囲気を残すお城跡だと思いました。
なぜかというと、単曲輪の縄張りですが、周辺の土塁や高低差で、お城跡の雰囲気を味わえるからです。
一通り見て周る所要時間は15分ほどだと思います。
神社内には大小の土塁が確認できます。隣の畑地も城跡との事です。
東端城の高低差。神社全体が周囲より高くなっています。
愛知県中世城館跡調査報告U西三河地区より
作図者 佐分清親氏
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