源頼朝の命で安達盛長が建立し饗庭城主の祈願所にもなった金蓮寺
西尾市吉良町の金蓮寺は、源頼朝の命で安達盛長が建立し饗庭城主の祈願所にもなったお寺です。阿弥陀堂は国宝に指定されています。
金蓮寺の住所
西尾市吉良町饗庭七度ケ入3
源頼朝の命で建立されたといわれる金蓮寺ですが、暦応三年(1340)に足利尊氏が真言宗寺院・光福寺の子院のひとつを、現在の場所に移して青蓮山金蓮寺と号したという説があります。
ともあれ阿弥陀堂は700年近い前の建造物で国宝に指定されています。
ちなみに愛知県の国宝建造物は、犬山城天守(犬山市)、如庵(犬山市)、そして金蓮寺阿弥陀堂の3つのみです。(2018年1月現在)
しかも3つの中で一番古いのが金蓮寺阿弥陀堂でもあります。
そして永徳三年(1383)頃、この近くにあった饗庭城主・饗庭妙鶴丸の祈願所となり、江戸時代には吉良氏の保護も受けました。
城主が愛した名水
また金蓮寺は名水の産地でもあります。
その歴史は古く、饗庭城主が茶の湯の水に使用した記録があり、現在でもお不動さんの名水として、地元でも親しまれています。
私の感想ですが、国宝建造物も見事ですが、金蓮寺は饗庭城を偲ぶ数少ない場所だとも思います。
なぜかというと、饗庭城の詳細はよくわかっておらず、ゆかりの史跡も無いからです。
でも金蓮寺には城主ゆかりの名水もありますし、阿弥陀堂も拝観できるので、西尾市のお城巡りの時に立ち寄ると、城址散策の充実度もあがると思います。
あと普段は外観のみの拝観ですが、年に数回、阿弥陀堂の中を見学できる事があるので、新聞や西尾市の観光情報をチェックしておくのも良いですね。
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