大留城 | 将軍足利義輝の家臣だった村瀬氏の居城
春日井市の大留城は、将軍足利義輝の家臣だった村瀬氏の居城です。また小牧長久手合戦では羽柴方に付き、池田恒興も大留城に入城しています。
歴史
大留城を築城した村瀬氏は、本来足利将軍家の被官(ひかん:家臣の意味)であり、大留村のほかに九日市村、篠木村、さらには伊勢国にも所領があり、合わせると四万石を超える所領があったそうです。
天正十二年(1584)年の小牧長久手合戦では羽柴方となります。
池田恒興率いる岡崎城攻撃隊も4月8日に大留城内で城主・村瀬作右衛門等と軍議を開き、翌9日に長久手にて家康軍に大敗しています。
この時、村瀬作左衛門も池田恒興と共に戦死し、以後、大留城は廃城になりました。
感想
現在の春日井市大留町にある子安神社を含めた周辺が、かつての大留城といわれています。
子安神社の前に小さな祠があり、その横によく見ると大留城の石碑も建っています。
お城の遺構としては、子安神社の北側に堀と土塁らしきものが残るほか、私的には南側を流れる庄内川も気になりました。
大留城の立地からいって、この庄内川を天然の堀として、南側の防御に活用していたのでしょう。
祠の前の石碑をよく見ると大留城趾の文字が刻まれていました!
石碑の側面を見ると、【天正年中 村瀬作右エ門 居城】の文字もありました!
大留城の南側を流れる庄内川。
この川を天然の堀として、お城の防御に活用していたのでしょう。南側の備えは抜群ですね!
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