古渡城 | 信長の父・織田信秀の居城で信長が元服したお城
名古屋市中区の古渡城跡は、今川氏豊の那古野城を奪った織田信秀が、東南方向に対する備えの為に天文(1534)に築いたといわれるお城。
また織田信長が元服したお城でもあり、信長の妹で北近江の戦国大名・浅井長政に嫁いだお市の方の生誕地という説があります。
歴史
古渡城の規模は東西140m、南北100m、周囲に二重の堀が巡らせてあったそうです。
天文十七年(1548)信秀は末森城を築いて移り、信長も弘治元年(1555)那古野城から清洲城へ移り、古渡城は廃城となりました。
その後古渡城は、一時田畑と化しましたが、元禄三年(1690)東本願寺別院が築かれました。
感想
名古屋市中区にある真宗大谷派東別院の中に古渡城の石碑と案内板がありました。
この周辺は名古屋の中心部であり開発が進み、かつての古渡城があった頃の面影は全くと言っていい程残されていませんでした。
でも、こうやって石碑だけでも建っていると嬉しいですね。
ちなみに東本願寺別院脇にある『下茶屋公園』には、古渡城の堀を利用して作った回遊式庭園があります。
東本願寺別院の隣りにある下茶屋公園の池は、かつての古渡城の堀を利用して築かれた池ということで、これが古渡城の唯一の遺構といったところでしょうか。
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