那古野城 | 名古屋城二の丸にあった信長生誕地説のお城
名古屋市中区の那古野城跡は、今川義元の父・今川氏親の築城によるといわれるお城。また織田信長はこの那古野城で生まれたという説があります。
歴史
『名古屋合戦記』という軍記物によれば、永正十四年(1517)に今川氏親が、当時の尾張守護・斯波義達と遠江(静岡県)で戦って勝ち、義達を尾張に送還した後、義達を監視する為に那古野城を築き、子の今川氏豊を城主としたそうです。
ところが天文元年(1532)頃には、織田信秀(信長の父)に城は奪われてしまいました。
その後、城は生まれたばかりの信長に与えられたそうで、後に信長の叔父・織田信光、織田家の重臣・林道勝などが居城しましたが、天正十年(1582)頃に廃城となっています。
感想
地下鉄の市役所口から入りやすい名古屋城東門をまっすぐ歩いた場所にある、二の丸庭園の前に石碑が建っています。
この石碑意外に那古野城の遺構らしきものは残っていません。
ちなみに現在の名古屋城は、この那古野城をベースに作られたということです。規模はぜんぜん違うんですけどね。
また信長の生誕地は那古野城のほか、稲沢市の勝幡城も生誕地説があります。
石碑は太平洋戦争の名古屋空襲で焼け、現在『那古』の二文字が残っています。
かつては那古野城跡…という文字が刻んであったのでしょうか?
『那古野』の読みは通常は『なごや』と読みます。
つまり那古野城(なごやじょう)です。
しかし一部の郷土史家、または城郭研究者の方は、名古屋城と読みを区別するためにあえて、那古野城(なこのじょう)と読む方もいます。
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