吉川城 | この地の土豪だった花井氏の居城跡
愛知県大府市の吉川城は、戦国時代この地の土豪だった花井氏の居城跡です。
歴史
応永四年(11397)吉川入道という人が築城し、その後花井氏が居城しました。
花井氏は知多市の寺本城も所有しており、天正八年(1580)に寺本城に移り、吉川城は廃城となりました。
しかし慶長五年(1600)の関ヶ原合戦時、鳥羽城主・九鬼喜隆によって西知多が襲われ、寺本城も落城。
城主・花井勘八郎は嫡男・清捨とともに信濃国(現・長野県)へ逃れ、後に清捨は尾張へ帰り、現在の大府市吉田町へ住み余生を過ごしました。
感想
吉川城跡は開発され、遺構は全く残っていませんが、かつて吉川城にあったとされる弁天様が、今でも残っています。
私の感想ですが、この吉川城の興味深いポイントは、城主の花井氏の歴史だと思います。
その理由は、花井氏は信長公記にも出てくる土豪で、村木砦の戦いの時、今川義元に味方して信長と敵対し、街道を封鎖するなどして名を残しています。
また大府市近くの名古屋市緑区にある大高城は、花井備中守が築城したといわれていますし、知多市の寺本城も花井氏の居城ということで、大府市だけでなく周辺にその足跡を見る事もできるんです。
あまり知られていない花井氏ですが、この人も大府市にとっては地元の戦国武将なので、活躍を調べて行くのも郷土史の楽しさのですね。
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